脚本家・荒井晴彦が映画とそこに描かれた歴史的事件について語る好評連載「荒井晴彦の映画×歴史講義」。今回は番外編として、KAWASAKIしんゆり映画祭2008で上映された『国道20号線』のトークショーの模様を掲載します。映画芸術2007年ベスト・テンにて第9位に選ばれた本作。富田克也(監督)、相沢虎之助(脚本)の強い要望により、足立正生と荒井晴彦の両氏がゲストに招かれました。
 「当時は禁止されていなかったから私の友人も何人か麻を栽培してましたよ」(足立)「富田の映画観てると暗くなるんだよ、やっぱり。考えなきゃいけなくなるじゃん」(荒井)などなど予測不能な痛烈トークがノンストップで展開します。
(構成:川崎龍太)



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『国道20号線』
監督・編集:富田克也
脚本:相沢虎之助、富田克也
撮影:高野貴子 録音:石原寛郎
出演:伊藤仁、りみ、鷹野毅、村田進二、西村正秀、Shalini Tewari、他
(日本/2007年/77分)

〈解説〉 
 かつて暴走族だった主人公ヒサシは、同棲するジュンコとパチンコ通いの毎日。シンナーもやめられないていたらくで借金だけが嵩んでゆく。そんなヒサシに族時代からの友人で闇金屋の小澤が話を持ちかける。
「なぁヒサシ、シンナーなんかやめて俺と一緒に飛ばねえか?」
 地方都市を走る国道。両脇を埋めるカラオケBOX、パチンコ店、消費者金融のATM、ドンキ・・・。現代の日本、とりわけ地方のありきたりの風景。ヒサシは夜の国道の灯が届かないその先に闇を見つけてしまった。宇宙のようにからっぽで、涯てのない闇のなかで繰り返されるありふれた事件、そしてかつて見たシンナーの幻覚の残像がヒサシを手招きする。
「ほんで俺も行ってもいいの?ホント?ホントに?」
(『国道20号線』HPより転載)