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2013年04月19日

「映画芸術」最新号(443号)、4月30日発売!!

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特集『戦争と一人の女』
対談
江口のり子×中野太(脚本家)
永瀬正敏×井上淳一(映画監督)
村上淳×荒井晴彦(脚本家・本誌編集長)

論考
渡辺考(テレビ・ディレクター)
宮台真司(社会学者)

座談会
成田尚哉(プロデューサー)×森重晃(プロデューサー)×寺脇研(『戦争と一人の女』統括プロデューサー)
川上皓一(キャメラマン)×斎藤久志(映画監督)×荒井晴彦

大島渚「破壊と創造」の映画史
追悼文
小笠原清(映画監督)
崔洋一(映画監督)

全映画
『明日の太陽』
『愛と希望の街』荒井晴彦
『青春残酷物語』河村雄太郎(昭和映画愛好家)
『太陽の墓場』沖島勲(映画監督)
『日本の夜と霧』菅孝行(劇作家・評論家)
『飼育』西岡琢也(脚本家)
『天草四郎時貞』高橋洋(脚本家・映画監督)
『小さな冒険旅行』/『私のベレット』小野沢稔彦(非正規雇用労働者)
『悦楽』足立正生(映画監督)
『ユンボギの日記』松岡錠司(映画監督)
『白昼の通り魔』瀬々敬久(映画監督)
『忍者武芸帳』中村征夫(テレビ・プロデューサー)
『日本春歌考』福間健二(詩人・映画監督)
『無理心中日本の夏』小川智子(脚本家)
『絞死刑』松田政男(映画評論家)
『帰って来たヨッパライ』向井康介(脚本家)
『新宿泥棒日記』高取 英(劇作家・演出家)
『少年』松原信吾(映画監督)
『東京战争戦後秘話』後藤和夫(テレビ・プロデューサー)
『儀式』小林竜雄(脚本家)
『夏の妹』安藤 尋(映画監督)
『愛のコリーダ』斎藤久志(映画監督)
『愛の亡霊』大石三知子(脚本家)
『戦場のメリークリスマス』富田克也(映画監督)
『マックス、モン・アムール』青山真治(映画監督)
『御法度』成田祐介(映画監督)

主要テレビ
「忘れられた皇軍」原一男(映画監督)
「アジアの曙」絓秀実(文芸評論家)
「KYOTO MY MOTHER’S PLACE」/「日本映画の百年」林海象(映画監督)
大島渚主要著書 丸川哲史(評論家)

連続斗論5 大島渚『絞死刑』をめぐって
〈鼎談〉西部 邁(評論家)×佐高 信(評論家)×寺脇 研(映画運動家)

ロングインタビュー
ジャン=クロード・カリエール(脚本家)

新作映画
インタビュー
『はじまりのみち』原恵一(映画監督)
映画批評
『モンスター』新城勇美(会社員)
「廣木隆一の現在」森直人(映画評論家)
『ホーリー・モーターズ』安藤礼二(批評家)
『L.A.ギャングストーリー』大畑創(映画監督)
『孤独な天使たち』川口敦子(映画評論家)

震災−映画
『ガレキとラジオ』『わすれない ふくしま』『犬と猫と人間2 動物たちの大震災』山下絵里

書評
渡辺武信(映画評論家)鈴木了二著「建築映画 マテリアル・サスペンス」
青山真治(映画監督)アラン・シルヴァー、ジェイムズ・ウルシーニ著「ロバート・アルドリッチ大全」
武藤康史(評論家)田中眞澄著「本読みの獣道」
杉野希妃(女優・プロデューサー)文化通信社編著「映画界のドン 岡田茂の活動屋人生」日下部吾朗著「シネマの極道 映画プロデューサー一代」
木全公彦(映画評論家)土屋由香、吉見俊哉編「占領する眼:占領する声 CIE/USIS映画とVOAラジオ」
編集部の一冊 ジョン・ランディス著「モンスター大図鑑」

連載
大木雄高「「LADY JANE」又は下北沢周辺から」
「DVD NEW RELEASE」
『ベルリン・アレクサンダー広場』『インディアン渓谷』青山真治
『暗殺の詩』『堕ちた天使』荒井晴彦
『レーシング・ブル』『モロッコへの道』『土曜の夜と日曜の朝』稲川方人
長谷川元吉「カメラマン解体新書
荒井晴彦×寺脇 研「韓米★映画合戦」
『世界にひとつのプレイブック』、『リンカーン』、『ジャンゴ 繋がれざる者』
『セデック・バレ』、『嘆きのピエタ』、『3人のアンヌ』
わたなべりんたろう「日本未公開傑作ドラマ紹介」
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2013年04月03日

「シネマ☆インパクト」第3弾徹底批評!!(text 村松健太郎)

 映画監督であり映画プロデューサーでもある山本政志が脱ワークショップ、非ワークショップを掲げて立ち上げたプロジェクトの第3弾にして、第1シーズン完結編といった趣の中・長編5作品。第2章とも言うべきシネマ☆インパクト2013では長編制作を掲げている。

『止まない晴れ』
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2013年 32分
監督:熊切和嘉 脚本:辻田洋一郎 撮影:高木風太 録音:小山道夫 編集:堀善介
出演:伊藤尚美 関寛之 樹香 吉原大地 松竹史桜 小松茂孝


 熊切和嘉監督による結婚記念日と同窓会を迎える同窓生夫婦の物語。残り10分で夫婦の秘密が明らかになるところから始まる混乱にどこまで同調できるかが鍵だろう。
 最初の秘密が意外な形で描かれるところまではある種の定形に沿った作りであり、そのあとのカオスに向かう展開を見ると、監督の“型にはまらない、むき出しの俳優と出会えたらいいな”という希望と“彼女(主演の伊藤尚美)をいかに追い込み、ぶっ壊し、どれだけ本当の感情を引き出すことができるか?”という狙いの体現に一応の成功を感じる。
 ただし、作品としては熊切監督のこれまでの作品群の延長線上にあるもので、そこから大きく跳ね上がるまでには至らなかった。話の落とし方を考えれば、30分強という上映時間は最適であろうが、このような特殊な制作形態であれば、カオスを迎えてからの部分をあと10分描いて、見ている側全員に前半部分を忘れさせ、引かせるぐらいの壊れぶりが延々と続き21世紀の大宴会が描かれても良かったのではないだろうか?
 秘密の描かれ方にもムラがあるように感じた。ああいう形で露見するのであれば、劇中、別の形でも露見しうるべきで、そこは伏線を張る形で丁寧に描かれていたほうが良かった。思わせぶりに登場するヒロインの妹も登場するだけで、その後機能していない。
 “型にはまらない”ところを強調させるためには前段階に綺麗な形で“型”を見せておいて、そこから一気に崩すような形にしたほうが効果的ではないだろうか?
 “型”をしっかりとしておかなければ“型破り”の印象も自然と薄らいでしまう。
 熊切監督は変に登場人物を増やしてしまうと物語錯綜してしまうことが多くて、こういう形でメインの人物たちをコンパクトに描いたのは成功だが、今度はあまりにもメインとその他の中で演者のバランスが崩れてしまったような気がする。他のところと言っていることが矛盾してしまうような気もするが、企画としてはもう少し一人の演者ではなくて、複数の演者にスポットライトが浴びるような作りが求められたのではなかったのではないだろうか? 熊切監督も大小多くの作品を経て来ているのでそこは、もう少し企画に寄り添っても良かったのではないだろうか? シネマ☆インパクトのあり方とその中での監督の立ち位置についてふと考えてしまった。


『集まった人たち』
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2013年 62分
監督・脚本:いまおかしんじ 撮影:戸田義久 録音:光地拓郎 編集:神谷朗 助監督:甫木元空
出演:新山志保 松永祐樹 鈴木将一朗 重田裕友樹 阿部隼也 小川朝子


 いまおかしんじ監督の生きているうちに貯まる鬱屈とSEXへの欲求をめぐる作品。
 酔った勢いで後輩に迫る自称ヤリマンの先輩はカウンセラーとして女性恐怖症の男性患者に相対する。社内恋愛に行き詰まるカップル、男のセフレ扱いに苛立つ女はオタクのコスプレ撮影会の被写体になる。女子高生は裏DVD売人を父親に仕立て上げて面談に臨み、その担任は自身のロリコン趣味に悩む。男性客に無理な注文を受けたデリヘル嬢は恋人に仕事を黙っていたことで揉め始める。女性を襲う計画に友人を誘う男達だが、ターゲットになった女性が強気で逆に愛とは何かと説教をされる。その女に強引に不倫関係を求められる男に年季の入った街娼二人組が迫る。
 細い糸で繋がりを持つ特殊でイタイ人間たちの跳梁跋扈が、監督のホームグラウンドを舞台にしているためにギリギリの淵でおさまっていて不快ではない苦笑に満ちた仕上がりになっている。SEXと恋愛感情のバランスを考えて悶々とするのか? とりあえずは欲望に身をゆだねておくのか? 欲望の男女比は? 答えのない問なだけに荒業のラストもそれほど違和感がない。
 また、このような企画では演者の出演のバランスを考えるあまりに結果として映画自体がギクシャクしてくるものだが、いまおか監督の器のサイズの見立てが良く、映画全体の設計の良さを感じた。全く違うパートにそれまでの登場人物が思わせぶりに登場する部分があまり機能していないことが惜しいところだ。
 制作体制に限られているところで、得意とするホームグラウンドのあるいまおか監督の強みがうまく作用した。強いて言えば、もう少し糸のつなげ方を有機的な形にできなかったのかと思う。場面・場面の演者の組み合わせは綺麗にはまっていただけに、場面が展開にあざとさを感じてしまう。群像劇ではなくエチュードの連なりといった趣なので、変に繋げなかったほうが、その場面と演者が立ったのではないだろうか?


『恋の渦』
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2013年 138分
監督・撮影:大根仁 原作・脚本:三浦大輔 撮影:高木風太 大関泰幸 録音:岩倉雅之 光地拓郎
出演:新倉健太 若井尚子 柴田千紘 後藤ユウミ 松澤匠 上田祐揮


 劇団ポツドールの三浦大輔による岸田國士戯曲賞受賞の戯曲を三浦自身が脚本を担当して大根仁監督が映像化。大根監督にとっては結果的にあの『モテキ』以来の長編となった。ここで140分の作品を撮り上げたことが長編制作を掲げたシネマ☆インパクト2013へのシフトチェンジに繋がったのだろうか?
 深夜の鍋パーティに集まる数組の男女。狙いはそれぞれの男友達と女友達をくっつけ合うことが狙い。しかし、出会いでつまずき4時間後には気まずいままで終わり、それぞれ散開となる。恋人同士、友人同士でその後の時間を過ごす面々だが、その場では言えなかった不満が頭をもたげ始め、微妙な空気が流れ始める。一週間の後、鍋パーティのことを肴に組み合わせを変えて盛り上がる面々。少しずつ関係性が歪み始めていく。さらに一週間後にはすっかり関係は変わっていた……。
 漢字の微妙ではなくカタカナのビミョー、漢字の本音と建前ではなくカタカナのホンネとタテマエを物語にするとこうなるのか。全編セリフの押収で覆われた140分は大根監督得意の人間の不器用さと身勝手さが充満する物語になっている。キャスト面での弱さはあるものの、単独でも十分に成り立つ長編になっている。完成度についても当然といえば当然であろうが、ひとつ頭が抜けたデキになっている。逆にシネマ☆インパクトの中にあっていいのかという気にもなってくる。これだけのものが出来上がってしまうと他の二つの企画との差異が目についてしまう。
 人間身内には甘くなる反面身勝手にもなりやすく、他人にはどうしても見栄を張りたくなる生き物なのだということを改めて感じさせてくれる。もちろん、ある世代・ある人々にはピンと来ない人物ばかりが登場するが、キャラクターの本質を見てみれば、そこにはどこにでもいる人々に見えてくるはずだ。
 今の人間は感情でも繋がっているがスマホ・携帯でも繋がっている。人と人を繋げる力という点ではスマホ・携帯の方が強いかもしれない。残念ながら……。


『海辺の町で』
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2013年 64分
監督・脚本:廣木隆一 撮影:鍋島淳裕 録音:ジョイスあゆみキャスリーン 編集:和田剛
出演:高麗靖子 真辺照太 北口辰也 小嶋喜生 山口可奈子


 福島県郡山市出身の廣木隆一監督が震災の爪あとも生々しく残る福島にてロケを敢行した一品。ストーリーらしいストーリーはない、また、多くの出演者が登場するが、それが群像劇のように絡み合うわけでもない。
 役どころもバラバラで被災者、ボランティア、取材者、工事業者、人妻モノのAVの撮影クルーまでいて、中には福島に向かう意図がよくわからない者たちもいる。全てに共通している部分がある、佇まいが虚無的で刹那的なのだ。その佇まいが映画を作っていく。やりきれない思いという言葉では少し語感が強すぎる、被災地に漂う感覚と空気。  
 少し極端な物言いをすればそこに映る人間たちは役者という職業の人間たちであって、誰かによって演じられた人物ではない。かつてそこは街であったのであろう何もない風景は確かにそこに大きく存在しているものの、映画のために切り取られ、用意された風景はそこには一切ない。
 “確かにあるが、何かがない”下手なドキュメンタリーよりも被災地の現状を感じられる風変わりな立ち位置の作品になった。
 その分だけ、挿入されるキャラクターが何かを抱えていそうな部分はいらないような気がする。立て続けにカメラが出てくるのでこれが意味があるのかと思うとそうでもなく、濡れ場が複数出てくるのも今ひとつピンと来ない、エロス=生という効果を狙ったのだろうか? ひたすら家族を探す人々、ボランティアというものへの何気ない思いを語り合う若者たち、被災しながらも普通の暮らしを続けようとする人々、エンコして遅々として進まない車は復興の隠喩だろうか? 動作やセリフで震災後の空気を伝えようという意図は分からなくもないが、前述のとおり、何もしない佇まいが結果的に震災後の被災地の空気を感じさせているだけに、アンバランスさが目に付いた。もちろん前半部分があった上で後半の静かな部分が際立つわけで無駄ではなかったのだろうが、ここは企画上避けられない演者を平等に出演させなければいけないということの弊害が出てしまった。廣木監督の小さな範囲内の人間たちを描いてきたフィルモグラフィを考えれば、アルトマンの様な群像劇をこの陣容で描くにはやや無理があった。


『水の声を聞く―プロローグ―』
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2013年 31分
監督・脚本:山本政志 撮影:高木風太 録音:小山道夫 編集:山下健治 制作:吉川正文 音楽:Dr.Tommy
出演:玄里 鎌滝秋浩 小田敬 高橋美穂 齋藤隆文 樫原由美子



*詳細は劇場へ!



【村松健太郎】 
映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年末より潟`ネチッタに入社。翌春より番組編成部門のアシスタント。07年よりTOHOシネマズ鰍ノ入社。同年6月より本社勤務。11年春病気療養のため退職。12年日本アカデミー協会民間会員・第4回沖縄国際映画祭民間審査員。現在、NCW配給部にて同制作部作品の配給・宣伝に携わる一方で他の媒体への批評・レポートも執筆。



3月30日(土)〜4月19日(金)
オーディトリウム渋谷

http://a-shibuya.jp/archives/5405

■上映スケジュール
5作品3プログラム
Aプロ:廣木隆一『海辺の町で』(64分)+山本政志『水の声を聞く -プロローグ-』(31分)
Bプロ:熊切和嘉『止まらない晴れ』(32分)+いまおかしんじ『集まった人たち』(62分)
Cプロ:大根仁『恋の渦』(140分)

3/30(土)‐ 4/2(火)16:10 Cプロ  19 :00 Aプロ
4/3(水)‐ 4/7(日) 16:50 Aプロ 19 :00 Bプロ
4/8(月)‐ 4/12(金)16:10 Bプロ 18 :20 Cプロ
4/13(土)21:00 Cプロ
4/14(日)21:00 Bプロ
4/15(月)21:00 Aプロ
4/16(火) 21:00 Cプロ
4/17(水)21:00 Bプロ
4/18(木) 21:00 Aプロ
4/19(金)21:00 Cプロ

料金:当日一般 1500円 学生・シニア 1200円
1回券 1200円 3回券 3000円


シネマ☆インパクト2013 Vol,1 4/1(月)始動!! 今年は、長編作品制作
林海象(濱マイクシリーズ、弥勒)平波亘(労働者階級の悪役)タナダユキ(ふがいない空を僕はみた)、行定勲(春の雪、クローズドノート)大森立嗣(ぼっちゃん さよなら渓谷)各監督
下記HPからお申し込みください。
http://www.cinemaimpact.net/info@cinemaimpact.net

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2013年02月28日

「映画芸術」最新号(442号)発売中!!

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日本映画ベストテン&ワーストテン
相田冬二(ノベライザー) 渥美喜子((挙結梭ュ美組代表取締役) 伊藤雄(湯布院映画祭実行委員会) 上野昂志(映画評論家) 宇田川幸洋(映画評論家) 内田眞(編集者) 浦崎浩實(激評家) 柄本佑(俳優) 岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員) 岡本安正(会社員) 荻野洋一(映像演出・映画評論) 桂千穂(脚本家・評論家) 川口敦子(映画評論家) 木全公彦(映画評論家・ライター) 国映ピンキーズ 新宿かぼす会 高橋洋(脚本家・映画監督) 田辺秋守(大学教員・哲学・映画論) 千浦僚(「オーディトリウム渋谷」支配人・映画感想家) 寺脇研(映画運動家) 富岡邦彦(PLANET+1代表・CO2事務局員・大阪アジアン映画祭インディーフォーラム部門ディレクター) 中村賢作(会社員) 永吉直之(名古屋シネマテーク) 長谷川法世・悦子(漫画家・博多町家ふるさと館長/博多ごりょんさん・女性の会) 林田義行(「PG」編集発行人) 福間健二(詩人・映画監督・文化研究者) 細谷隆広(映画配給・宣伝トラヴィス) モルモット吉田(映画評論家) 山下絵里(築地魚河岸の帳場さん) 吉田広明(映画批評家) 渡辺武信(映画評論家) 侘井寂子(フリーライター) 映芸ダイアリーズ 「映画芸術」編集部 

『横道世之介』
インタビュー 高良健吾(主演)
『ナイトピープル』
インタビュー 門井 肇 (監督)

【新作映画批評】
『東京家族』磯田勉(フリーライター)
『さまよう獣 』村上賢司(映画監督・テレビディレクター)
『ムーンライズ・キングダム』柴田剛(映画監督)
『奪命金』千浦僚(ミニシアター支配人、映画感想家)

【震災映画】
楠山忠之(映像ジャーナリスト)

【追悼 若松孝二 その光と影の果てに】
追悼文
松田政男(映画評論家)
和光晴生
崔洋一(映画監督)
清水一夫(プロデューサー)
鍋島壽夫(プロデューサー)
朝倉大介(プロデューサー)

インタビュー再録
若松孝二と土地

座談会 「若松孝二 境界なき虚像と実像」
足立正生(映画監督)+沖島勲(映画監督)+福間健二(詩人・映画監督・文化研究者)+小水一男(映画監督・脚本家)+秋山道男(プロデューサー・クリエイティブディレクター)+高間賢治(撮影監督)+荒井晴彦(脚本家・本誌編集長)

カラー口絵:若松孝二がそこにいた 写真 岡田喜秀

【ロングインタビュー】
アニエス・ヴァルダ(映画監督)

【連続斗論4 映画『戦争と一人の女』をめぐって】
〈鼎談〉西部 邁(評論家)×佐高 信(評論家)×寺脇 研(映画運動家・『戦争と一人の女』プロデューサー)

【追悼 橋本文雄 わしは死んでも、現役や】
追悼文:阪本順治(映画監督)、紅谷愃一(録音技師)
(2012年第37回湯布院映画祭シンポジウム 現場で生きた音を録れ 録音技師 橋本文雄の世界
橋本文雄+澤井信一郎(映画監督)+阪本順治+上野昂志(映画評論家)

【書評】
高澤秀次(文芸評論家)田村孟『田村孟全小説集』
山嵜高裕(詩人)ジョナス・メカス著、木下哲夫訳『ジョナス・メカス─ノート、対話、映画』
瀬川裕司(ドイツ文学者)吉田広明『亡命者たちのハリウッド 歴史と映画史の結節点』
稲川方人(詩人)アラン・ベルガラ著、奥村昭夫訳『六〇年代ゴダール 神話と現場』
新城勇美(会社員)山崎まどか『女子とニューヨーク』
編集部の一冊『女優 若尾文子』

連載
【OUT OF SCREEN】 あたご劇場 堀内 恭
大木雄高「「LADY JANE」又は下北沢周辺から」
長谷川元吉「カメラマン解体新書」
白坂依志夫「白坂依志夫の続・人間万華鏡」
荒井晴彦×寺脇 研「韓米★映画合戦」
わたなべりんたろう「日本未公開傑作ドラマ紹介」
posted by 映芸編集部 at 19:45 | レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月26日

『あるいは佐々木ユキ』レビュー
暁方ミセイ(詩人)

わたしと世界とユキと。見えるもののすべてへ。
暁方ミセイ(詩人)



 去年の十二月に訪れた渋谷の小さな試写会会場は、路地を曲がり、地下への狭い階段を見つけて下りて行き、見覚えのある淡いベージュの『あるいは佐々木ユキ』のポスターが貼ってあることだけが確かにここで間違いないと信じられるドアを開けたところにあった。わたしはコートを着たまま、なんだか緊張して上映を待っていた。同時にその夏、黄金町の映画館で、『わたしたちの夏』を観たときも、映画が始まるまでは周囲の他人が気にかかって所在無かったことを思い出していた。
 映画が始まると、我々観客は暗闇の中に一人きりにされ、映画と一対一になる。
 それがいい映画のときは、ふと気がついたとき、周囲との温度差が埋まって、劇場の暗室がひとつの、運命共同体の箱舟のように揺られている感じがする。『わたしたちの夏』では、そういう感じがした。そして最新作『あるいは佐々木ユキ』もまた、心地よい共有感を味わった映画だった。

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 福間監督の撮る映画には、体温があると思う。
 それは単に人間味が溢れているだとか、現代の若者がリアルに描かれているだとか、そういうことではなくて、一人の女の子が、自分の世界と、他者と共有する世界とを、入子状に何重にも持っていて、その卵のような大切な体で、世界と共鳴しながら生きている「普通の女の子」という温もりが、本当によく描かれていると思う。
 わたしが作中、最も好きなシーンが、ユキの通学するモノレールの車窓から、ずっと、かなり長いカットで、立川の街と夕日が映されるシーンなのだが、あれを見ているだけで、ユキという女の子の生きている時間を大切に感じた。そしてその画面全部を埋めた視界が、そこに乗り合わせる乗客たち、この夕日をここで見ているわたしたちもまた、「ユキ」であると知らせるのである。

 特別ではなく撮られたものたちが、特別に美しくなるのも、福間監督の作品の特徴だと思う。
 ストーリーにとっておよそあってもなくてもいいシーンなのに、どうしても覚えていて思い出してしまうシーンがある。ユキがひとりでご飯を食べていて、ご飯粒が手にくっついて、それをぺろっと啄ばむように食べる場面だ。他にも、ある一箇所の声の抑揚の感じだったり、カルタ遊びの長い長いカットの、びっくりするくらいのなんでもなさの中にある、愛おしさだったり、そんなところばかり覚えている。
 試写会の後、福間監督にお話を伺ったとき、「明日失明すると知ったときに、見ておきたいと思うものを撮った」とお話されていたが、実際この映画には、死期の目で撮ったような、はっとするほど美しいありふれた世界が収められていると思う。前作『わたしたちの夏』では、夢や、死者が帰ってくるなど、異世界がすっとこちらに、涼しい風のように流れ込んでくる夏の時間が描かれていたが、今作では、より身近で、より近いところで、詩情が発光している。また、映像重視で、話も抽象的でありながら、むやみな「お洒落感」がないのも、好ましいところだと思う。ちゃんと、東アジアで撮った作品であると思う。
 
 もう一つ、どうしても触れておきたいのが、主演の小原早織さんのことである。
 彼女の存在は、ほとんど魔力と言ってもいい。
 普段はただの学生だという彼女の魅力については、既にもう随所で語られていると思うが、素人らしくていいとか、普通っぽいところがいいとかの、最近ありがちなB級嗜好とは全然違う。福間氏は同じ試写会後の席で、「彼女の目には力があって、ジプシーの少年の目だ」とおっしゃっていた。目や仕草や表情や声で惹きつけられても、それは彼女の方から強烈に発信されたものではない。彼女はただまっすぐに、スクリーンに向かって立っている。だから我々は、その魔力に予め身構えることができない。
 多分、恋をしてしまう。そんな意味で、ふと、作中に出てくる『人魚姫』と同じ人魚のローレライを思い出したりもする。

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  大切なものを入れておくとっておきの箱のような映画で、しかし宝物の宝石のようには大人しくはしていない、ユキたち。この映画に撮られたすべてのものに、多くの方が、祝福をしてくださることを祈って。




『あるいは佐々木ユキ』
監督・脚本:福間健二 製作:福間恵子
撮影:鈴木一博 編集:秦 岳志 音響設計:小川 武
音楽:大川美由子 吉田孝之 助監督:西野方子 細谷周平 酒井 豪
出演:小原早織 吉野 晶 千石英世 文月悠光 川野真樹子
配給:tough mama
2013/HD/カラー/79分

ポレポレ東中野にてモーニング&レイトショーにて絶賛上映中
ポレポレ東中野 http://www.mmjp.or.jp/pole2/
公式ブログ  http://sasakiyuki.doorblog.jp/

イベント情報
1月27日(日) 21時の回上映前 福間健二監督による詩の朗読
1月29日(火) 21時の回上映後 小原早織(主演)+福間監督トーク

当日料金:一般¥1500 学生¥1300 シニア¥1000
* リピーター割引:半券ご提示で、2回目から¥1000に。
* ポエトリー割引:どんな詩集でもご提示で、一般のお客様も学生料金に。詩集をポッケに映画を見に行こう!

posted by 映芸編集部 at 19:33 | レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月21日

「映画芸術」2012年日本映画ベストテン&ワーストテン決定 ! !

「映画芸術」誌の2012年日本映画ベストテン&ワーストテンが決定しました!!
配点の詳細および選評については1月30日(水)発売の本誌442号(定価1500円)にて掲載致します。


【ベストテン】
1位 『かぞくのくに』(監督/ヤン・ヨンヒ)
1位 『苦役列車』(監督/山下敦弘)
3位 『Playback』(監督/三宅 唱)
4位 『旧支配者のキャロル』(監督/高橋 洋)
5位 『桐島、部活やめるってよ』(監督/吉田大八)
6位 『先生を流産させる会』(監督/内藤瑛亮)
7位 『黄金を抱いて翔べ』(監督/井筒和幸)
8位 『ライク・サムワン・イン・ラブ』(監督/アッバス・キアロスタミ)
9位 『その夜の侍』(監督/赤堀雅秋)
10位 『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』(監督/入江 悠)
*『かぞくのくに』『苦役列車』は同率1位


【ワーストテン】
1位 『希望の国』(監督/園 子温)
2位 『ヒミズ』(監督/園 子温)
3位 『夢売るふたり』(監督/西川美和)
4位 『アウトレイジ ビヨンド』(監督/北野 武)
5位 『あなたへ』(監督/降旗康男)
5位 『ヘルタースケルター』(監督/蜷川実花)
7位 『悪の教典』(監督/三池崇史)
8位 『鍵泥棒のメソッド』(監督/内田けんじ)
8位 『桐島、部活やめるってよ』(監督/吉田大八)
8位 『終の信託』(監督/周防正行)
*『あなたへ』『ヘルタースケルター』は同率5位
*『鍵泥棒のメソッド』『桐島、部活やめるってよ』『終の信託』は同率8位
posted by 映芸編集部 at 16:22 | レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする